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さな

Author:さな
何もわからないままブログを作ってしまいました。
ここには読んだ本の中からお勧めのものを選んで、感想を書いていきますが、あくまでも感想と紹介で、書評と言えるほどのものではありません。
少しでも好みが似ている方の参考になったらうれしいです。
リンクはフリーで、トラックバックも歓迎します。
ただし、本と関係のないところからのトラックバックは削除させていただく可能性があります。
ご意見はこちらへどうぞ。
kimamawaga☆yahoo.co.jp
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魔王 伊坂幸太郎

bk1

考えろ考えろマクガイバー。

安藤は子供の頃に見た、主人公が身近な物を武器にして戦うテレビドラマ『冒険野郎マクガイバー』のセリフを真似して、何かにぶつかるたびに「考えろ考えろマクガイバー」と心の中で自分に言い聞かせる。
でたらめでもいいから自分の考えを信じて対決していけば世界が変わる。というのがの安藤の信条だった。
世の中の雲行きは怪しくて、日本の中では反アメリカの気運が高まり、人心をつかむのに長けた犬養という政治家が支持され始めていた。けれど安藤は犬養にムッソリーニに似た危うさを感じる。
そんな中、安藤は自分に奇妙な能力があることに気づき……。

危うい社会の流れを感じた男が、役に立つのか立たないのか微妙な、不思議な能力を使って、その流れを変えようと戦う話です。
彼の感じている不安は、私たちのすぐ側にある不安と直結していて身に迫ってきます。
世の中の人々が疑問を覚えることもなく風潮に流されている中、安藤は自分で考え行動します。それが正しいことだったのかはわかりませんが、自分の頭で考えて戦う安藤の姿には芯が通っていて、大きな流れの前には無力でも力強さがありました。
文中に引用されている宮沢賢治の詩がまた効果的で。
「考えろ考えろマクガイバー」を始めとする、作中で何度か繰り返される文も、ラストまで効いてきます。
両親に早くに死なれて、二人で生きてきた弟の潤也との関係もよいです。考える兄と、感じる弟。性格は似ていないのに仲がよく、潤也は「兄貴は考えすぎだ」と言って、ゴキブリがどうして嫌われるのかとかそういう身近で現実的なことを考えればいいのだと馬鹿話をします。こういう軽快な会話も随所に織りこまれていて良いです。

「魔王」のラスト四ページくらいの文章がとても好きでした。
こういう場面をすがすがしく描いているところが魅力的だと思います。

後半には「魔王」から五年後の潤也の物語である「呼吸」が収録されています。

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テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

伊坂幸太郎 | 17:22:32 | Trackback(0)
チルドレン 伊坂幸太郎

bk1

「陣内のせいじゃないか」
「だね」
「あいつは強盗にすら迷惑をかける」


五つの短編連作。
強盗事件に巻き込まれたり、誘拐事件にちょっと関わったりしますが、事件自体は字面に比べてそれほど重くありません。
物語に常に関わっているのが、陣内という変な男。
いつも陣内の行動に呆れながら、それでも付き合っている友人鴨居や、強盗事件に巻き込まれたときに知り合った盲目の青年永瀬、永瀬の彼女の優子も、なかなか寛大な人たちだなと思いました。
永瀬は目が見えませんが、その分感覚が鋭く、自分の周囲に起こっている事件の真相を見抜いていきます。
五編それぞれが面白くて、ちょっと意外な結末がよかったです。
陣内のキャラクターがとてもいいですね。
もちろん現実世界でこういう家族や友達がいたらかなり困るでしょうけど。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

伊坂幸太郎 | 11:08:55 | Trackback(0)
死神の精度 伊坂幸太郎

bk1

人の死には意味がなく、価値もない。つまり逆に考えれば、誰の死も等価値だということになる。だから私には、どの人間がいつ死のうが関係がなかった。けれど、それにもかかわらず私は今日も、人の死を見定めるためにわざわざ出向いてくる。
 なぜか? 仕事だからだ。


音楽が好きで、苗字が地名で、受け答えが微妙にずれていて、素手で他人に触ろうとしない。
そんな死神千葉を主人公にした短編連作。
対象者に接触し、7日間でその人の生死を決める死神。
「可」ならその翌日にその人は死に、「見送り」ならその人は死なずに済みます。
適当に「可」の報告をする死神も多い中、千葉は真面目に仕事してます。
それでもほとんどは「可」の報告をして、その対象者は死ぬわけですが。
私個人的には表題作「死神の精度」が好きです。
地味でパッとしない、電機メーカーの苦情処理係を務めている一恵の物語。
本人は一つも取り柄がないと思っていて、「いいことなしだからもう死にたい」と言いますが、実は……。
6編の短編が載ってますが、ハートウォーミングものあり、ハードボイルド調あり、アガサクリスティ調ありで、一つ一つバラエティに富んでいて、とても面白かったです。


テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

伊坂幸太郎 | 23:28:30 | Trackback(0)
アヒルと鴨のコインロッカー 伊坂幸太郎

bk1


「あんたさ、恋愛とか女の人より好きなものってないの?」わたしは皮肉まじ
りに訊ねた。
「あるよ」と河崎が当然のように即答したので、少し驚いた。
「何」
「ドルジと琴美」


恋人同士のドルジと琴美。そして、可能な限りたくさんの女性と抱き合いたい
と思っていて、昔少しだけ琴美ともつきあったこともある美形の男、河崎。
彼ら三人の物語である「二年前」と、大学入学のために引っ越してきた椎名と
河崎の物語である「現在」。二つの物語が交互に展開し、二年前の悲劇と現在
の真実が明らかになっていく。

物語は、「現在」の主人公である僕こと椎名が、引っ越し先の隣の住人である
河崎に誘われて、一冊の広辞苑目当てに書店強盗をするはめになるところから
始まる。
椎名は、この奇妙な隣人に振り回されながらも、少しずつ二年前の河崎たちの
事情を知ってゆき、自分は河崎たち三人の物語に途中参加しているだけにすぎ
ないのではないかと気づきだす。

一冊の広辞苑を奪うための書店強盗という突拍子もない始まりから、読み進め
るうちにゆっくりと物語の全貌が見え始めてくる仕掛けに引き込まれます。
登場人物たちもそれぞれ魅力的。
洒落ていて軽快な文章でつづられる奇妙な日常の中から、二年前の事件が浮か
び上がってくると同時に、びっくりするような事実も明かされます。
この作者の小説は、中盤からおもしろさが加速するような気がします。


テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

伊坂幸太郎 | 23:05:50 | Trackback(0)
重力ピエロ 伊坂幸太郎

bk1


「本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ」

起こるのは謎の落書きと、それに引き続く連続放火事件ですが、家族愛の物語でした。
主人公泉水の弟春は、母が未成年の男に襲われ、生まれた子です。
類い希な美貌と、家族の誰にもない絵の才能を持ち、不安定な青年春。
その春を愛し、見守る家族。
繊細な文章で描かれる日常やちょっとした会話などがとてもよかったです。

ただこの家族が、春を追いかけるストーカー女、通称夏子さんに寛容なのにちょっとびっくり。
これが男女逆だったら、なかなか怖いストーカーだと思うんですが。

最近読み始めた作家さんですが、文章も好きだし、何よりも温かい雰囲気がいいです。


テーマ:読書 - ジャンル:小説・文学

伊坂幸太郎 | 14:31:10 | Trackback(1)

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